カテゴリ:イタリア・バロック音楽事情( 6 )
スカルラッティ音楽祭2007
ただ今、帰国中。今年は暖冬で、例年より早い桜の開花が予想され、間に合わないかと思いましたが、セーフ!今年も見事な桜を見る事が出来ました。やはり海外にいると、帰国するのは年末年始かこの時期。私は特にこの桜の時期に帰国するのが大好きです。もちろん桜も美しいけど、新年度の始まりで新入生や新社会人など、世間には幸せそうな顔が沢山見られます。景色も人の顔も一番明るい時期ではないでしょうか。

さて、今回の帰国は以前にもこのブログでご紹介した「スカルラッティ音楽祭2007」の準備のためです。いよいよチケットの販売が始まりました。

この音楽祭は、イタリア大使館などが主催している「日本におけるイタリア春2007
PRIMAVERA ITALIANA」
にも参加しています。このPRIMAVERA ITALIANAには、音楽のみならず、美術、映画、ファッション、フードやワイン、テクノロジー、観光、などなどあらゆる分野で300以上のイヴェントが参加しています。先日公開が始まった、国立博物館のダ・ヴィンチの「受胎告知」などもその一環。この春、日本中至る所で、イタリアに関するイヴェントを目にされる事と思います。

美術の面では、ルネッサンスやバロック時代のイタリア絵画は、世界中で大変良く知られ、見る機会も多いでしょう。しかし、当時美術と同じように音楽の世界でも、最も栄華を誇り、ヨーロッパの中心地であったにもかかわらず、イタリアのバロック音楽は現在あまり知られていません。皆さんも、バロック音楽と言えば、ドイツのバッハ、ヘンデルを真っ先に思い出しますよね。では、イタリアと言われると、ヴィヴァルディの「四季」ぐらいでしょう。でもでも、バッハもヘンデルもイタリアに憧れ、イタリア音楽を模倣し学んでいたのです。

そして今年、バッハとヘンデルと同じ年(1685年)にアルプスの南側のさらに南、ナポリで産声をあげたドメニコ・スカルラッティという作曲家の没後250周年に当たります。555曲もの鍵盤ソナタを残し、今では「鍵盤ソナタ」の作曲家として有名ですが、彼も当時の他の作曲家と同様にオペラも宗教曲も残しています。

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そこで、彼の250回目の命日に当たる7月23日を挟んで約1ヶ月、「スカルラッティ音楽祭2007」が開催されます。鍵盤ソナタの全曲批判校訂版(リコルディ社)や全曲録音(ストラディヴァリウス・レーベル)などを手がける、イタリアにおけるスカルラッティ研究の大家、エミリア・ファディーニ女史を迎えセミナーや公開マスタークラス、また近年新発見されたスカルラッティの初期の作品の世界復活初演や、その作品を発見された音楽学者、ディンコ・ファブリス氏の講演なども行われます。

日本では(世界でも)、なかなか機会のない音楽祭ですので、ぜひぜひ多くの方々にいらしていただきたいと思います。
詳細は、こちらをご覧下さい。
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by carissimi | 2007-04-01 23:06 | イタリア・バロック音楽事情
遅ればせながら・・・明けましておめでとうございます。
あれよあれよ、という間に1月も末になってしまいました。
遅ればせながら、明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願い致します。

先週末約1ヶ月ぶりにボローニャに戻ってきましたが、滞在の前半にの〜んびりしすぎてしまったため、日本を発つ直前に本番やら夏の音楽祭の準備やらで慌ただしくなってしまいました。

さて、いよいよ2007年の幕開け(今さら)、スカルラッティ・イヤーの始まりです。今年は、イタリア・バロック音楽の代表的作曲家であるドメーニコ・スカルラッティの没後250周年。それを記念し、夏に東京で「スカルラッティ音楽祭2007」が開催される事になりました。場所は、九段のイタリア文化会館。この分野におけるイタリアの一流演奏家を数人招聘し、日本人演奏家とともに、スカルラッティの魅力を余すところなくご紹介します。ドメーニコ・スカルラッティは550曲以上存在する鍵盤ソナタで有名ですが、近年新発見され、今回世界復活初演となる声楽作品も演奏されますし、その発見者によるシンポジウムや公開マスタークラスなども開催。
ぜひぜひこの夏、スカルラッティの音楽にどっぷり浸ってみてはいかがですか〜?

2007年は、私はこの「スカルラッティ音楽祭2007」に全力投球です。応援よろしくお願いします!!
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by carissimi | 2007-01-31 05:26 | イタリア・バロック音楽事情
お薦めの演奏団体
今日は、お薦めのグループを2組ご紹介します。

なんと言ってもまず最初にご紹介したいのは、このグループ。

Accadmia Bizantina(アカデミア・ビザンティーナ)
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チェンバロ奏者のコーナーでご紹介したオッターヴィオ・ダントーネ率いるこのグループは今や、飛ぶ鳥を落とす勢いのグループです。6,7年前にヴァイオリン奏者の友人から「すごいグループがある」と聞いて、CD を聴いたのが最初でしたが、その時のショックと言ったら。まず、コンサートマスターのステファノ・モンタナーリの色気のある音色と存在感のある通奏低音。そして、それらが引き出す躍動感あふれる熱い音楽。今まで古楽という物に抱いていた印象が一気に覆されました。
そして、前にも書いたように、いざ彼らとバッハの「マニフィカート」で共演できる機会に恵まれたとき、彼らが以前この曲を演奏した時の録音を聴きましたが、これが生演奏とは思えない完璧さ。通常、CDは録音の段階で何度も取り直したり、つなぎ合わせたりするので、いい演奏に仕上がるのは当たり前。しかし、ライブ録音の場合、勿論1回しか演奏しないし、つなぎ合わせたりもしないので、CD録音に比べて傷があるのに、このグループのライブ録音は、CD で聴く彼らの演奏そのまま。
その後の数回の共演でも、彼らの演奏は本当に楽しく、もう体が自然に動き出しそうなくらい、わくわくします。自分が同じ舞台にいるのに、自分の立場を忘れて一ファンとして聴き入ってしまうくらい。演奏している彼らもとても楽しそう。
それは、指揮者のダントーネとコンサートマスターのモンタナーリの間にとても強い信頼関係があり、他のメンバー達も一丸となって、この二人に信頼、尊敬、喜びを持って従っていこうという気持ちがあるからだと感じました。

このコンサートマスターのモンタナーリという人物がまた素晴らしいのです。ヴァイオリンの技術は勿論、音楽的センス、人間としての素晴らしさ。この人こそ、コンサートマスターという役にぴったりの人だと思います。この人の音は本当に色気があって、まろやか。しかも歌のように感情豊かなのです。弾いている姿を見ると、彼がヴァイオリンを通じて何を言いたいか分かるくらい。イタリアに来て器楽奏者の演奏を聴くにつれ、つくづくイタリアは歌の国だと感じます。器楽奏者も、まるで楽器が言葉を発しているかのように、楽器を通して歌っているのです。。

このグループは、2001年に来日していますが、ぜひもっともっと日本に来て演奏してほしいです。

まずは、録音をぜひぜひお聴き下さい。これぞイタリア・バロック音楽です!!

* CD

「Settecento Veneziano」18th Century Venetian Music
録音:1999年ARTS(47661-2)

Antonio VIVALDI「L'Estro Armonico op.3」
録音:2000年ARTS(47646-2, 47647-2)

Alessandro SCARLATTI「6 Concerti Grossi&Cello Sonatas」
録音:2000年ARTS(47616-2)


Alessandro SCARLATTI「Sinfonie&Harpsichord Concertos」
録音:2002年DECCA

PERGOLESI「Stabat Mater」&PORPORA「Salve Regina」
録音:2004年Amadeus


次にご紹介するのは、このグループ。

Il Giardino Armonico(イル・ジャルディーノ・アルモーニコ)
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イタリアに来て、最初に聴いたバロックの演奏団体が、このグループ。このグループについて良く知らないで、イタリアに来た最初の年、ボローニャでのコンサートに行きました。演目は、バッハのブランデンブルグ協奏曲。リコーダー奏者でこのグループの指揮者でもあるジョヴァンニ・アントニーニの指揮がまるで踊っているような指揮だし、コンサートマスターのエンリコ・オノーフリの演奏もその弾く姿も派手。でもでも、客席で踊り出したいくらい体から楽しめる演奏でした。思いっきりイタリアンなバッハでしたが。その数日後に聴いたコレギウム・ヴォカーレ・ゲントのバッハがなんと四角い演奏に聞こえた事か。
このグループも前述のアカデミア・ビザンティーナと同じ新世代グループで、指揮者のジョヴァンニーニとダントーネが仲が良いという事もあって、ダントーネも良くこのグループと共演しています。
こんなに躍動感があってメリハリのある演奏をするにはどういうリハーサルをしているのかと思っていたら、ある日彼らのリハーサルを見学した友人が曰く「音程を合わせる事ばっかりやってたよ」。では、あの音楽性はすでに彼らが自然と持っている物なのでしょうか。さすがイタリア人だなぁ。

このグループは、メゾ・ソプラノのチェチーリア・バルトリなどの伴奏としても共演しています。

ところで、このグループのコンサートマスターのエンリコ・オノーフリという人。歌う事が大好きで「やっぱり歌いたい!」と4,5年前にこのコンサートマスターを辞めてテノール歌手に転向。でも、やっぱり歌よりヴァイオリンの方が上手いらしく、また最近ヴィオリニストに復帰しました。とさ。

では、彼らのお薦めの録音です。

*CD

A. VIVALDI「Il Quattro Stagione」
録音:1994年 TELDEC

Musica da Camera a Napoli
録音:1994年 TELDEC

J.S. Bach「Concerti Branderburghesi」
録音:1997年 TELDEC

「Viaggio Musicale」Musica Italiana del Seicento
録音:2000年 TELDEC

A. VIVALDI「Musica da Camera」
録音:2002年 TELDEC

「Artist Portrait」
録音:2002年 TELDEC

A.VIVALDI「Violin concertos」(Violin : Viktoria Mullova)
録音:2005年 Oayx

* DVD

A. VIVALDI「The Vivaldi ambum」(Ms : Cecilia Bartoli)
録音:DECCA
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by carissimi | 2006-09-30 06:01 | イタリア・バロック音楽事情
お薦めの演奏家 チェンバリスタ編
では、次はチェンバリスタをご紹介します。

イタリアにはほとんどの音楽学校にチェンバロ科があって、ブラーヴォなチェンバリスタはほんとうに沢山います。でも、その中でブラヴィッシモ(超ブラーヴォ)なお二人をご紹介します。

Ottavio DANTONE
(オッターヴィオ・ダントーネ)チェンバロ

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まず最初にご紹介したいのはこの人。なぜならBello(かっこいい)から。というのは半分冗談で、姿もよければそのテクニックも素晴らしいのです。
最初にこの人のチェンバロを聴いたのは、それこそまだイタリア・バロック音楽にど素人の頃に参加したウルビーノの古楽講習会での講師のコンサート。
この人がチェンバロの先生なんて知らないで、街や学校で見かけると「かっこいいなぁ〜」と思っていましたが、そのコンサートでステージに彼が出てきて、始めてチェンバロの先生だと知りました。しかもその登場の仕方がまだかっこいい。おそらく彼のらしい犬が舞台脇でうろうろしていて、彼が登場するときにその犬に「お座り」の合図をすると、その犬はちゃんとお座りをしてご主人が舞台に出るのを見送っているのです。そして、彼はそのままほとんどお辞儀もせず、椅子に座りおもむろに弾き始めたのです。その曲は、バッハの「ゴルドベルク変奏曲」。私は、もうほとんど音楽は聞こえず、目がハートになりながら、彼のその弾く姿に見入っていました。
勿論、チェンバロのコースでも大人気で、そのコースに参加した友人が「レッスンの時に、彼が他の女子生徒の手に触れるたびに、羨ましかった」と言っていました。
それから数年後、彼が指揮をするアッカデミア・ビザンティーナというグループでバッハの「マニフィカート」の3重唱の第2ソプラノを歌わせてもらえる事になりました。ど緊張で挑んだリハーサル(なんとコンサート当日の朝だけのリハーサルでしたが)で、急に第2ソプラノのソロ・アリアも歌わせてもらえることに。本番はなにしろ緊張して良く覚えていませんが、とても楽しい演奏でした。(このグループについてはまた後日ご紹介します。)
いつも目の下にくまを作って神経質そうな顔をしているので、会う度になんだか近寄りがたい雰囲気なのですが、話し始めるととても親しみやすい方です。

さて、では彼が指揮をしているCD はまた演奏団体のコーナーでご紹介することにして、今回はチェンバリストとしての彼のCD をご紹介します。

J.S.Bach「Das Wohltemperierte Clavier, Teil I&II」
録音:Arts

G.F.Handel「Suites de pices pour le clavein」
録音:Arts

Domenico Scarlatti「Complete Sonatas Vol.2 & 7 La Maniera Italiana」
録音:Stradivarius


Enrico BAIANO(エンリコ・バイアーノ)チェンバロ
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実は私、まだこの人の生演奏を聴いた事がないのです。周りからうわさですごいすごいと聞いていたし、2,3年前に参加したウルビーノの講習会もすごい人気だったので、それは是非聴かねばと思って早速CD を買いました。
本当にすごかった。生粋のナポリ人なので、特にスカルラッティやナポリものはすごいっ、もうナポリ色いっぱい。チェンバロってとても繊細な楽器だと思っていたのに、あんなに幅広いダイナミックな表現ができてしまうとは。チェンバロの友人に言わせると、「あんな弾き方彼だから様になるけど、普通の人がやったら恥ずかしい」とか。
これはぜひ生を聴いてみなければ!来年はドメニコ・スカルラッティの没後250周年なので、イタリア各地で彼の演奏が聴けるのではないでしょうか。日本にも来て欲しい!

では、そのナポリ色豊かなCD&その他をご紹介します。

Domenico Scarlatti「Sonata per Calvicembalo」
録音:Symphonia(1999)

G.Salvatore, G.Strozzi, G.Greco, A.Scarlatti,「Musica al Tempo de Luca Giordano」
録音:Symphonia(2001)

Johann Jakob Froberger「Diverse Curiose Partite per Cembalo」
録音:Symphonia(1996)

Antonio De Cabezon「Obras de Musica para Tecla」
録音:Symphonia(1998)
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by carissimi | 2006-09-11 14:29 | イタリア・バロック音楽事情
お薦めの演奏家 声楽家編その2
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Sergio Foresti(セルジョ・フォレスティ)バス

バス歌手でお薦めしたいのが、このセルジョ・フォレスティ。イタリアに来てまもない頃、イタリアにどんなバロック歌手がいるのか全然知らなかった頃、始めボローニャで受けたバロック音楽の講習会の先生が、メゾ・ソプラノのグローリア・バンディテッリだったのですが(この人は今さら紹介するまでもなく、この分野では大変有名な方です。ご存じない方はぜひ聴いてみて下さい)、この先生の歌を聴いてみようと思って買ったCD(Frescobaldi:Arie Musicali)で、このセルジョも歌っていて、とても上手くて印象に残っていました。その後、何かのきっかけで彼が私と同じ年だと分かり、しかもその聴いたFrescobaldiのCDの録音は彼が26歳の時。こんなに若くてもうこんなに完成された声のバスがイタリアにはいるんだなぁ、とびっくりしました。
それから数年後、イタリアで仕事をするようになって、コンサートで彼と共演できる事に。彼の声を間近で聴けるのかと大変楽しみかつ緊張してリハーサルに挑みました。その声は、咽も体も開ききって、上から下まで全く障害のない発声で、聴いていて本当に心地よいのです。そのコンサートでも4人のアンサンブルの低音を彼がしっかり支えてくれて、大変歌いやすかったです。
その高貴漂う歌からも想像できる通り、彼の人柄は決しておごらず大変温和。なにを隠そう実は私は彼の隠れ(もうすでに公だけど)ファンで、結婚していなかったら彼の追っかけをしたいくらい、歌も人柄も大好きです。

彼の録音も沢山ありますが、その中からいくつかご紹介。

Girolamo Frescobaldi「Arie Musicali」
指揮:Rinaldo Alessandrini
演奏:Concerto Italiana
録音:1994年(OPUS 111 OPS30-105/106)

Benedetto Marcello「Arianna」
指揮:Filippo Maria Bressan
演奏:Athestis Chorus, Academia de li Musici
録音:Chandos CHAN0656(3)

A. Vivaldi「L'Olimpiade」
指揮:Rinaldo Alessandrini
演奏:Concerto Italiana
録音:OPUS 111

A. Vivaldi「Tito Manlio」
指揮:Federico Maria Sardelli
演奏:Modo Antiquo
録音:CPO

A. Vivaldi「Arsilda, Regina di Ponto」
指揮:Federico Maria Sardelli
演奏:Modo Antiquo
録音:CPO


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Sonia Prina(ソニア・プリーナ)アルト

この人は特にぜひとも一度聴いていただきたい。というのは、珍しいどアルトなのです。イタリアでも沢山素晴らしいメゾ・ソプラノはいますが、ここまで上手いアルトはなかなかいません。
私がこの人を知ったのは割と最近、4年ほど前。すごい上手いと噂には聴いていたのですが、主人と共演で始めて生を聴いた時は本当に驚きました。ホルンも勉強したというのが伺い知れるような、上から下までなめらかな発声とアジリタの超人的なテクニック。しかもとてもまろやかな声で、低音も全く無理を感じさせません。
実はこの人、オペラ畑の出身で、ミラノ・スカラ座の研修所を出てから、20代前半でリッカルト・シャイーの指揮でロジーナ役でスカラ座デビューをしています。なにしろ低音とアジリタがすごく魅力的なので、タンクレディーとかセミラーミデのアルサーチェとか歌わせたら上手いだろうと思います。数年前に歌ったモンテヴェルディの「ウリッセの帰還」のペネーロペも素晴らしかったです。友人によるとモンテヴェルディの「アリアンナの嘆き」がまた素晴らしいのだとか。今やヨーロッパ中でヘンデルやヴィヴァルディのオペラなどで大活躍しています。
2001年だったか、すでに彼女はアカデミア・ビザンティーナと来日しているので、お聴きになった方もいらっしゃるかもしれませんね。またぜひ再来日してほしいものです。

では、最近のヴィヴァルディのCD を中心にご紹介しますが、前回ご紹介したソプラノのロベルタ・インヴェルニッツィとのペルゴレージの「スタバト・マーテル」を特にお薦めします。この二人はプライベートでも大変仲が良く、二人の二重唱はもう息がぴったり。ダントーネの音楽的アイディアも大変素晴らしいのですが、数あるこの作品の録音でこれが一押しだと思います。

A. Vivaldi「Orlando finto pazzo」
指揮:Alessandro de Marchi
演奏:Accademia Montis Regalis
録音:Opus 111

A. Vivaldi「La Senna festeggiante」
指揮:Rinaldo Alessandrini
演奏:Concerto Italiano
録音:OPUS 111

A. Vivaldi「L'Olimpiade」
指揮:Rinaldo Alessandrini
演奏:Concerto Italiano
録音:OPUS 111

A. Vivaldi「Farnace」
指揮:Jordi Savall
演奏:Le Concert des Nations
録音:Alia Vox

Giovanni Battista Pergolesi「Stabat Mater」
指揮:Ottavio Dantone
演奏:Accademia Bizantina
録音:Amadeus
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by carissimi | 2006-09-08 05:05 | イタリア・バロック音楽事情
お薦めの演奏家 声楽家編その1
このコーナーでは、お薦めのイタリアの演奏家やCD, コンサートなど、イタリアの古楽事情をご紹介したいと思います。

ではまず、演奏家から。日本の皆さんにご紹介したい演奏家は沢山いますが、まずは声楽家。

Roberta Invernizzi (ロベルタ・インヴェルニッツィ)ソプラノ

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一番にご紹介したいのがなんと言ってもこの人、ソプラノのロベルタ・インヴェルニッツィ。現在イタリアの古楽歌手で最も活躍しているソプラノ歌手で、実は私の先生。5,6年前にメゾ・ソプラノからソプラノへの転向を決心した私は、さて、どんな歌手をお手本にしていこうかと、様々なソプラノ歌手のCDを聴きまくりました。が、従来の古楽のソプラノ歌手は、なんだか体を使いきらず咽を閉めた発声で、大人の女性が歌っているという感じがしない淡泊な声と表現という印象があって、なかなか「この人!」と思う人がいませんでした。
最初にこの人の声を聴いたのは、6年前クレモナのモンテヴェルディ・フェスティヴァルで「ダイドーとエネアス」の中のベリンダ役。この時、ダイドーを歌ったオペラ畑のメゾよりも声が通り低音もしっかりして、表現も豊か。それまでの古楽のソプラノのイメージを大きくうち破るもので、「古楽のソプラノにもこんな人がいるんだぁ!」と大変印象に残っていました。数ヶ月後パリまで彼女のコンサートを聴きに行き終演後、レッスンを受けたいと直談判しました。それ以来ほぼ毎月ボローニャからナポリに通い、彼女のコンサートにもほとんど追っかけのように行きまくっていました。
彼女の歌は、ピアニッシモやアジリタのテクニックは勿論、言葉ひとつひとつ、フレーズひとつひとつに注意が払われ、音程も正確、全くすきのない歌なのです。しかも彼女の性格同様、明るく大胆かつ繊細。レッスンで彼女から様々なアドヴァイスを受けられるのも嬉しいのですが、目の前で彼女の生の声を聴けるというのが、最高の幸せ。しかも疲れていたり、落ち込んでいる時に、彼女に会って話をしたり彼女の声を聴くと、とても元気になるのです。私より2歳だけ年上の彼女は、時には師、時には姉のようなとても頼りになる存在です。
ミラノ生まれなのに「ミラノは暗くて嫌い」と言って、ナポリに住んでいた彼女の家は、すべての部屋の窓から、ナポリの海、イスキア島などが見える高台のアパート。そこにおじゃました時、「ああ、彼女のこの明るい性格と歌は、この環境が大きく影響しているのだなぁ」とつくづく思いました。

彼女が歌っているCD録音は沢山ありますが、ここでは彼女のソロCDをご紹介します。

Georg Friedrich Haendel 「Lucrezia」cantata e sonata da camera
演奏:Retablo Barocco
録音:1996年 Stradivarius (STR33424)

「Non e' tempo d'aspettare」Frottole dal Libro I di Francisus Bossinensis
演奏:Accademia Strumentale Italiana
録音:1998年 Stradivarius (STR33516)

Caludio Monteverdi A voce sola, con sinfonie
演奏:Accademia Srtumentale Italiana
録音:1999年 Stradivarius (STR33562)

John Dowland 「Come away, come sweet love」
演奏:Accademia Strumentale Italiana
録音:2001年 Stradivarius (STR33614)

「Donna Barocche」Women composers from the baroque period
演奏:Bizzarrie Armoniche
録音:2001年OPUS111(OP30341)


Furio Zanasi(フリオ・ザナージ)バリトン

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次にご紹介するのは、バリトンのフリオ・ザナージ。この人はすでに何度か来日しているので、ご存じの方も多いかと思いますが、モンテヴェルディのウリッセやオルフェオ、「タンクレディとクロリンダ」のテキストを歌わせると、「この人の右に出る人はいない!」と誰もが思う人。モンテヴェルディをはじめ初期バロックのテノールは、テノールに与えられたパートでもたまに音域がテノールには低い時があるのですが、この人の声にはぴったり。上記の役は勿論、モンテヴェルディの「聖母マリアの夕べの祈り」の中の「Audi, caelum」などは聴いてるこちらが溶けてしまいそうになるほど素晴らしいのです。本当に素晴らしい声と表現力。イタリアに住み始めてまだ、イタリアにどういう古楽歌手がいるか全く知らなかった頃、主人のイタリアでの最初の仕事で彼と一緒になり、主人はまだ彼がどんな人か知らず「良い声ですね」なんて声を懸けてしまったらしいのですが、今から考えたら恐ろしい。どこの馬とも知らない東洋人の若造がこんなに素晴らしい歌手に不覚にもこんな事を言ってしまって。。。

この人も沢山録音がありますが、ここではモンテヴェルディの録音をご紹介します。

*CD
Monteverudi「Combattimento di Tancredi e Clorinda」
指揮:Gabriel Garrido
演奏:Ensemble Elyma
録音:1997年K617(K617095/2)

Monteverudi「Il ritorno d'Ulisse in partia」
指揮:Gabriel Garrido
演奏:Ensemble Elyma
録音:1998年K617(K617091/3)

Monteverdi「Vespro della beata vergine」
指揮:Gabriel Garrido
演奏:Ensemble Elyma
録音:1999年K617(K617100/2)

*DVD
Monteverdi「Orfeo」
指揮:Jordi Savall
演奏:La Capella Reial de C atalunya, Le Concert des Nations
録音:2002年 OPUS ARTE(OA0843D)
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by carissimi | 2006-08-18 15:59 | イタリア・バロック音楽事情