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お薦めの演奏団体
今日は、お薦めのグループを2組ご紹介します。

なんと言ってもまず最初にご紹介したいのは、このグループ。

Accadmia Bizantina(アカデミア・ビザンティーナ)
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チェンバロ奏者のコーナーでご紹介したオッターヴィオ・ダントーネ率いるこのグループは今や、飛ぶ鳥を落とす勢いのグループです。6,7年前にヴァイオリン奏者の友人から「すごいグループがある」と聞いて、CD を聴いたのが最初でしたが、その時のショックと言ったら。まず、コンサートマスターのステファノ・モンタナーリの色気のある音色と存在感のある通奏低音。そして、それらが引き出す躍動感あふれる熱い音楽。今まで古楽という物に抱いていた印象が一気に覆されました。
そして、前にも書いたように、いざ彼らとバッハの「マニフィカート」で共演できる機会に恵まれたとき、彼らが以前この曲を演奏した時の録音を聴きましたが、これが生演奏とは思えない完璧さ。通常、CDは録音の段階で何度も取り直したり、つなぎ合わせたりするので、いい演奏に仕上がるのは当たり前。しかし、ライブ録音の場合、勿論1回しか演奏しないし、つなぎ合わせたりもしないので、CD録音に比べて傷があるのに、このグループのライブ録音は、CD で聴く彼らの演奏そのまま。
その後の数回の共演でも、彼らの演奏は本当に楽しく、もう体が自然に動き出しそうなくらい、わくわくします。自分が同じ舞台にいるのに、自分の立場を忘れて一ファンとして聴き入ってしまうくらい。演奏している彼らもとても楽しそう。
それは、指揮者のダントーネとコンサートマスターのモンタナーリの間にとても強い信頼関係があり、他のメンバー達も一丸となって、この二人に信頼、尊敬、喜びを持って従っていこうという気持ちがあるからだと感じました。

このコンサートマスターのモンタナーリという人物がまた素晴らしいのです。ヴァイオリンの技術は勿論、音楽的センス、人間としての素晴らしさ。この人こそ、コンサートマスターという役にぴったりの人だと思います。この人の音は本当に色気があって、まろやか。しかも歌のように感情豊かなのです。弾いている姿を見ると、彼がヴァイオリンを通じて何を言いたいか分かるくらい。イタリアに来て器楽奏者の演奏を聴くにつれ、つくづくイタリアは歌の国だと感じます。器楽奏者も、まるで楽器が言葉を発しているかのように、楽器を通して歌っているのです。。

このグループは、2001年に来日していますが、ぜひもっともっと日本に来て演奏してほしいです。

まずは、録音をぜひぜひお聴き下さい。これぞイタリア・バロック音楽です!!

* CD

「Settecento Veneziano」18th Century Venetian Music
録音:1999年ARTS(47661-2)

Antonio VIVALDI「L'Estro Armonico op.3」
録音:2000年ARTS(47646-2, 47647-2)

Alessandro SCARLATTI「6 Concerti Grossi&Cello Sonatas」
録音:2000年ARTS(47616-2)


Alessandro SCARLATTI「Sinfonie&Harpsichord Concertos」
録音:2002年DECCA

PERGOLESI「Stabat Mater」&PORPORA「Salve Regina」
録音:2004年Amadeus


次にご紹介するのは、このグループ。

Il Giardino Armonico(イル・ジャルディーノ・アルモーニコ)
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イタリアに来て、最初に聴いたバロックの演奏団体が、このグループ。このグループについて良く知らないで、イタリアに来た最初の年、ボローニャでのコンサートに行きました。演目は、バッハのブランデンブルグ協奏曲。リコーダー奏者でこのグループの指揮者でもあるジョヴァンニ・アントニーニの指揮がまるで踊っているような指揮だし、コンサートマスターのエンリコ・オノーフリの演奏もその弾く姿も派手。でもでも、客席で踊り出したいくらい体から楽しめる演奏でした。思いっきりイタリアンなバッハでしたが。その数日後に聴いたコレギウム・ヴォカーレ・ゲントのバッハがなんと四角い演奏に聞こえた事か。
このグループも前述のアカデミア・ビザンティーナと同じ新世代グループで、指揮者のジョヴァンニーニとダントーネが仲が良いという事もあって、ダントーネも良くこのグループと共演しています。
こんなに躍動感があってメリハリのある演奏をするにはどういうリハーサルをしているのかと思っていたら、ある日彼らのリハーサルを見学した友人が曰く「音程を合わせる事ばっかりやってたよ」。では、あの音楽性はすでに彼らが自然と持っている物なのでしょうか。さすがイタリア人だなぁ。

このグループは、メゾ・ソプラノのチェチーリア・バルトリなどの伴奏としても共演しています。

ところで、このグループのコンサートマスターのエンリコ・オノーフリという人。歌う事が大好きで「やっぱり歌いたい!」と4,5年前にこのコンサートマスターを辞めてテノール歌手に転向。でも、やっぱり歌よりヴァイオリンの方が上手いらしく、また最近ヴィオリニストに復帰しました。とさ。

では、彼らのお薦めの録音です。

*CD

A. VIVALDI「Il Quattro Stagione」
録音:1994年 TELDEC

Musica da Camera a Napoli
録音:1994年 TELDEC

J.S. Bach「Concerti Branderburghesi」
録音:1997年 TELDEC

「Viaggio Musicale」Musica Italiana del Seicento
録音:2000年 TELDEC

A. VIVALDI「Musica da Camera」
録音:2002年 TELDEC

「Artist Portrait」
録音:2002年 TELDEC

A.VIVALDI「Violin concertos」(Violin : Viktoria Mullova)
録音:2005年 Oayx

* DVD

A. VIVALDI「The Vivaldi ambum」(Ms : Cecilia Bartoli)
録音:DECCA
by carissimi | 2006-09-30 06:01 | イタリア・バロック音楽事情
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