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念願達成 〜ウニスパゲティ〜
今年もはや9月に入り、暦は秋になりましたね。日本はまだまだ残暑が厳しいのでしょうが、ボローニャは6月7月と毎日35度を超える暑さだったのに、8月に入ったとたん秋のような涼しさ。日陰に入ると半袖だと寒いし、夜も寒くて目が覚める程でした。
8月中旬に日本から戻ってこれからヴァカンス!のつもりだった私は、この思いがけない涼しさに寂しさを感じていました。しかも、8月の中旬なんてみんなヴァカンスに行ってしまって誰もいないし、お店もほとんど開いていません。日本から戻って10日後からシチリアでヴァカンスをする予定だったのですが、あまりにつまらないので予定を繰り上げて、すでに主人が仕事で滞在していたカターニャに向かいました。
さすがシチリアはまだまだ夏。空は雲一つなく真っ青だし、海風が心地よく、食べ物も海の幸やドルチェ、グラニータが美味しい。

実は私達夫婦は、4年前に始めてイタリア式ヴァカンスという物を体験しました。イタリア人のように1ヶ月もヴァカンスを取るのは日本人の私たちはさすがに気が引け、1週間だけサルデーニャのアグリツーリズモに滞在しました。朝はゆっくりアグリツーリズモ自家製のパンやジャムで朝食をした後、真っ青な海で泳ぎ、近くの街で観光がてら美味しい昼食を取り、午後は部屋に戻って少し昼寝をし、夕方またひと泳ぎ、夕食はアグリツーリズモのおかみさん自慢の地元料理をいただき、食後は他の宿泊客達と食後酒を飲みながら団らん、という生活をしました。勉強も仕事も全くしないで1週間過ごすなんて、さすがに最後の方は悲しいかな、日本人の私はもうそろそろなにかし始めなければいけないのでは、という気になってしまいましたが、9月に新しい年度が始まるイタリアでは、その前に1年間に疲れた体や頭をゆっくり休めて、また9月から新たにがんばろう!という気になるために、長期のヴァカンスは必要だと実感しました。そのイタリア式ヴァカンスをすっかり気に入ってしまった私たちは、次はシチリアでヴァカンス!を目指していましたが、この数年はなかなか夏にイタリアにゆっくりいることがなく実現しませんでした。
が、実は、私のイタリア滞在中の唯一の夢は、「シチリアでウニスパゲティを食べること」。今までイタリア国内の様々な土地に滞在し、その土地の美味しい料理をたくさん食べましたが、何を隠そう、お寿司やさんでは必ずウニで閉めるというほどウニ好きの私は、イタリアを引き揚げる前にぜひぜひシチリアでウニスパゲティを食べたかったのです。そして、今年それがいよいよ叶う事になったのです!!

カターニャに滞在中、なかなかゆっくりレストランで食事をする事が出来なかったのですが、やっとカターニャ出身の友人が勧めるお店での夕食が出来る日、店員さんに張り切って「ウニスパゲティ!」と注文しました。が、しかし、その日は土曜日の夜、たくさんの予約が入っていて、ウニスパゲティはそれらのお客のために取っておかなければならないとの事。泣く泣く白魚のスパゲティに変えましたが、これはこれで美味しかった。そして翌日、昼間にゆっくり食事をする時間があったので、他にも友人を誘って、いくつかのガイドブックが薦めるレストランにわざわざ予約をして行きました。ガイドブックによるとこのレストランもウニスパゲティがお薦めとか。大いなる期待を持って「ウニスパゲティ」を注文すると、もう前日の夜で売り切れてしまったとの事。つくづく縁がないのか。。。でも、今回のヴァカンスでの第一目的は、なんと言ってもシチリアでウニスパゲティを食べること!なにがなんでも達成しなければ!

主人のカターニャでの仕事が終わった後、カターニャから少し南のシラグーサ近郊のアグリツーリズモに3,4日滞在する事にしていたのですが、そこに移動する前にカターニャのちょっと北に位置するタオルミーナに観光に行きました。この街の郊外にも複数のガイドブックがお薦めするお店があり、最後の望みを懸けてこのお店に入りました。ここは日本のガイドブックにも紹介され、日本人も頻繁に来て「ウニスパゲティ」を注文するとみえて、私たちが注文を頼む前に、ご主人が「じゃ、プリモはウニスパゲティにする?」と聞いてきました。Certamente(勿論)!!そして、来たのがこのスパゲティ。
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予想したよりウニが少ない。。。というのが正直な第一印象。オリーヴオイルのスパゲティの上にウニを乗せただけ、というとてもシンプルな一品ですが、でも、美味しかったです。ただ、やはり日本のウニに比べると、小ぶりで香りが少ない。こうやって念願は達成でき満足したのですが、日本で自分でオリーヴオイルのスパゲティを作って日本のウニを乗せて食べた方が美味しいだろうなぁ、というのが率直な感想です。次回帰国したら試してみよう。ぜひ皆さんも試してみて下さい。
by carissimi | 2006-09-03 02:50 | イタリア美食事情
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